前項でTPとTCPそれぞれの資格試験概要をご紹介しました。

今回は実際にゴルフ指導者としての両資格保持者、特にTCPを選ぶメリットとデメリットを考察していきます。

TCPが所属するスクールは会費が高い?

TCPの資格保持者が指導者として所属するゴルフスクールは、他のゴルフスクールと比べて受講料がやや高めに設定されています。もちろんスクールによってプライベートレッスンや入会金の無料月といったサービスを提供していたり、またレッスン時間の差もありますので一概にはいえませんが、おおむねそのような傾向にあります。

雇用する側からすれば、資格保持者よりも無資格者の方が安く雇えるのは当然です。特にTPやTCPは国内で唯一『プロゴルファー』を肩書に出来る資格ですから、他のゴルフ関連の資格保持者とは一線を画します。雇用にかかるコストはそのぶんスクール会費に反映されるため、割高のケースが目立つのです。

初心者ほどゼイタクなレッスンを受けるべき

第三回『指導者としてのJGTOツアーメンバー』で出したたとえ話を振り返ってみましょう。
――ゴルフ初心者がJGTOツアーメンバーのレッスンを受けるのは、ド音痴の私がMISHAさんとカラオケに行くようなもの。
要するにJGTOツアーメンバーを指導者とするには、レッスンを受ける側にもそれなりのゴルフ技術が必要だと述べました。胸のすくようなプレイを間近で見られるのは経験のひとつにはなるでしょうが、実際にそのスキルを見様見真似で盗むのは至難の業です。

先の例をTCPに当てはめるならば、TCPはカラオケにおけるボイストレーナーです。
TCPはゴルフ技術を初心者にも分かり易い言葉に変換することが出来ます。

例えば打球がどうしてもスライスしてしまう生徒に対して、どんなアドバイスが適切でしょうか。

普通の指導者

これらは確かに正しい指摘です。けれども現象を言っているだけで、その欠点に対してどう対処すればいいのかが不足しているため指導としては不十分です。

一方、TCPは同じケースでこう指導します。

ティーチングプロの場合

指導を受けるうえでどちらが分かり易いでしょうか?

正しくゴルフを指導するには、人体の仕組と物理学的なクラブの扱い方の知識が必要であり、さらにはそれを言語化する技術が欠かせません。なおかつ指導する本人が高いスキルを持っていなければ指導にあたってお手本を示すことが出来ません。

知識・言語化する能力・ゴルフ技術。

指導力の高さはこの三つがどの程度の水準にあるかで決まります。
そして三点ともに高い能力を持っているのがTCP保持者です。

幼少からゴルフを学んできたプロは、スコアメイクについては考え尽くしている一方で、意外なほど細かな要素に無頓着です。フィーリングで出来ること、たとえば自分のスイングを理論的に説明できるのはほんの一握りのプロだけです。そしてその細かな点こそ、初心者が躓きやすい点です。
だからこそ初心者こそ指導力の高いTCPのゼイタクなレッスンを受けるべきです。