前項でご紹介した通り、PGAは日本国内における唯一の『プロゴルファー』の認定団体です。
TPの保持者とは、PGAが主催するTPの資格試験を合格して『トーナメントに出場できるレベルのゴルフ技術を有している』と認定された人々です。そしてTCPの保持者とは、PGAがプロゴルファーとして認定するもう一つの資格、TCPの資格試験を合格して『ゴルフの指導技能に優れ、PGAのゴルフ指導理論を身に着けている』と認定された人々を指します。

さっそく難関とされる両資格の試験内容について探ってみましょう。

トーナメントプロ(TP)現行の資格試験概要

トーナメントプロの認定試験は年に一度行われます。多様な受験資格のうちどの項目をクリアしているかによって受験費用が上下動するものの、合格のちPGA会員に登録するまでにざっと100万円程度を要します。
試験はプレ予選プロテスト → 1次プロテスト → 2次プロテスト → 最終プロテストという流れで春先から夏の終わりごろまで約三カ月に渡り実施されます。

プロテスト合格までの流れ

2011年度に実施されたプロテストでは、参加者847名のうち上位54名が合格しました。
各段階におけるプロテストの参加人数は単純なピラミット型になってはいません。主要なアマチュアゴルフ大会の上位入賞者や、TCPの選抜者、そして過去のプロテストで上位成績を収めた選手は一部テストを免除されているため、ステージが進むにつれ戦いは厳しさを増します。

プロテストに合格した面々は、ティーチングセミナーや面接、入会セミナーなどを経て晴れてPGA会員となります。つまりTPの資格試験は基本的に実技試験のみです。

ティーチングプロ(TCP)現行の資格試験概要

続いてTCPの試験内容について探ってみましょう。

ティーチングプロ(TCP)は文字通りゴルフ指導者に特化したプロゴルファーの資格です。
そのためTPの資格試験とは異なる様相を呈しています。
ゴルフ技能が求められる実技試験のほか、長期に渡っての講習参加が義務付けられています。

また、TCPはランクによってA級ライセンスとB級ライセンスとに分かれます。
下位資格であるB級の資格試験には実技試験が設けられています。ここでの実技試験はラウンドによるスコア取りです。二日間のラウンド合計スコアが156程度が合格のボーダーラインと言われています。この実技試験のほか面接や筆記試験に合格し、かつ合計200時間近い講習を受けて晴れてPGAに入会、TCPを取得できます。

上位資格であるA級へ昇格するさいにも同じように100時間超の講習を受ける必要があります。
講習といってもA級、B級ともに大学の授業のような座学のみではなく、実技講習が含まれています。じっさいにコースに出て、傾斜からのショットやバンカーショットなど様々なシチュエーションに対して適格な対応が出来るかが問われるのです。

あるTCPからこんな話を耳にしたことがあります。
実技講習のなかで『左足下がりの傾斜から(ターフを取らずに)7番アイアンでショットをする』というシチュエーションが提示されました。彼はたったひとつその実技に失敗しただけで、後日その追試を受けるため地方の講習会場まで通わなければならなかったそうです。つまりたった3球を打つためだけにです。
TCPの資格認定はこれほど厳密に執り行われています。

ほかにもTCPの講習ではPGAの提唱するゴルフ理論を学ぶほか、ゴルフ解剖学接遇まで指導されます。
ゴルフが上手いだけでは獲得出来ないのがTCPです。

では次回はいよいよ指導者としてのTP・TCPについて探っていきます。