前項では女性ゴルフ愛好者が女性指導者に習うメリットをご紹介しました。
今回は女性指導者が保持している資格のなかでも、特にLPGAが発行しているティーチングプロ(TCP)についてご紹介します。

LPGAとは?

第二回『プロゴルファーとは何か? JGTOとJPGA』で軽く触れましたが、ゴルフでは男性プロと女性プロとで所属している団体が異なります。
日本における女性プロゴルフ運営団体が(J)LPGA(Ladies Professional Golfers’ Association of japan)です。
平たくいうと女性版JPGAですが、JGTOとJPGAとに分裂している男子とは異なり、LPGAはツアー運営と資格発行の両方を一括して行っています。とはいえQTも存在し、男子と同じくTPだけを保持していてもレギュラーツアーには出場出来ません。

ゴルフスクールで活躍している女性指導者の保持資格は様々ですが、多くの女性指導者がLPGAが発行する資格を保持しています。

・LPGAティーチングアシスタント
・LPGAティーチングプロ
・LPGAインストラクター

この三つは全てLPGAが発行している女性指導者の資格です。
どれも似たような名称ですがそれぞれ地位は異なりますので、簡単にご紹介しましょう。

ティーチングアシスタントとは?

――ティーチングアシスタントはティーチングプロになるための過渡的な地位

LPGAの公式ホームページでは、ティーチングアシスタントをこのように表しています。
あくまでティーチングプロを目指すにあたっての通過点としているところから、正式な資格ではないと言いたげに映ります。その実、アシスタント期間に行われる研修ラウンドでの成績が振るわなければ登録抹消となりますし、アシスタント期間を更新をしたとしても最大六年間までしか維持出来ません。アシスタントのあいだは上位資格保持者のもとで三年間ゴルフ指導補佐業務にあたり、ラウンド研修や各種審査をクリアしてやっとティーチングプロ資格の受験資格が与えられるのです。
ここで挙げた『上位資格保持者』とはざっくりLPGAまたはJPGAのTCP資格保持者を指しています。そのためTCPを目指すティーチングアシスタントがいるスクールには必ず経験を積んだTCPがいます。

ちなみに男子にはティーチングアシスタントという地位はありません。
TCP・B級ライセンスの受験資格として『上位指導者のもとで3年以上の研修を経ている』ことが条件のひとつとして設定されているのみで、研修中の人にこのような肩書は付与されません。

ティーチングプロA級取得までは長い道のり

女性TCPにも男性と同じくC級・B級・A級ライセンスとがあり、アシスタントに認定されてからティーチングプロフェッショナルA級を取得するまでには最低でも6年かかります。昇級のためには講習会の修了が必須で、かつ級ごとに設けられた認定試験を合格しなければなりません。アシスタントとTCPのA級ライセンス保持者とでは知識のみならず経験値の差が歴然です。

LPGAインストラクターとは?

LPGA会員には、JPGAと同じようにツアープロ(TP)とティーチングプロ(TCP)とがいます。
TPがTCP取得を目指す場合、3年のアシスタント期間は免除されB級試験から受けることが出来ます。

ただ、TPであれば年に一回行われるセミナーを二回受講することで指導者としての肩書を取得することが可能です。これがLPGAインストラクターです。そのためインストラクターを資格として載せる場合はTP資格と併記しているケースが目立ちます。

一方は、100時間を超す講習と級ごとに設けられた試験を潜り抜けた指導者。
かたや一年に一回の講習×二回を修了すれば得られる資格。

実技を含めた講習会の日数から指導力を測るならば、インストラクターとティーチングプロとでは差があるといえます。