前項では指導者として見た時のJGTOツアーメンバーについて触れました。
続いてはPGAが発行するTP・TCPについて探っていきましょう。
一部、第三回『プロゴルファーとは何か? JGTOとJPGA』の項で触れた部分と重なる箇所がありますので、不要と思われましたら今回の記事は飛ばしてください。

資格がなくてもプロゴルファー!

社団法人日本プロゴルフ協会(JPGA)の公式ホームページには、プロゴルファーの定義について以下の記述があります。

——-(引用ここから)——-

社団法人日本プロゴルフ協会(PGA)は、文部科学省管轄のもと日本国において唯一の「プロゴルファー」の認定団体です。
現在PGAが認定しているプロゴルファー資格には、「トーナメントプレイヤー(TP)」、「ティーチングプロ(TCP)」の2種類あります。(後略)

——-(引用ここまで)——-

――日本における唯一の『プロゴルファーの認定団体』。
裏を返せばTPあるいはTCPでなければ『プロゴルファー』とは呼べないと言っています。
この定義に違和感を覚える人も少なくないでしょう。

多くの人は『プロ』という言葉について『その道でお金を稼ぐ人』と認識しているのではないでしょうか。だからこそツアーや大会で賞金を稼ぎそれを生活の糧とするならば、たとえTPやTCPを持っていなくてもプロゴルファーに変わりないように思えます。

海外のプロゴルファーに対する認識は、『(資格によらず)プロ宣言をした人』です。より正確を期すならば『プロ=アマチュア資格を捨てた人』という意味で、私たちの認識とほど近い『ゴルフの賞金で生計を立てると決めた人』です。
日本でも新聞の見出しなどでたびたび『●●選手がプロ転向』などと使われるますが、これも資格の有無ではなく『プロ宣言をした(アマチュア資格を捨てた)人』という意味合いで用いられています。

それでも多くの『プロ』にとってPGAの資格は魅力的

第三回『プロゴルファーとは何か? JGTOとJPGA』で触れたように、PGAが発行するTPやTCPはいったん取得すれば年会費さえ払えば維持出来ます。ツアーに参加するプロというと、上位入賞者の獲得賞金額や有名選手の華やかな生活ぶりに目がいきがちですが、現実は試合の賞金のみでは生活できない選手がほとんどです。年収で言えばごく普通の会社員の方が上回っている場合もザラですし、そんな懐事情に関係なく、選手は実費で日本全国で開催されるツアーを回らなければなりません。あまつさえその年の獲得賞金が少なければ来季のシード権すら失い『ただの人』になってしまうのです。

日本人は肩書に振り回されやすいとはいうものの、やはり自分の立ち位置を示してくれるTPやTCPは強い後ろ盾です。
たとえばゴルフスクールに勤めるとして、TPやTCPの保持者であれば十分な給与が保障されます。資格保持者というのは生徒からの信頼を勝ちうる武器にもなります。

そして、様々なゴルフに関する資格のなかでTPやTCPはもっとも強力な武器といえます。
それは『PGAが日本国内における唯一のプロゴルファーの認定団体であるから』だけではありません。
その他の資格に比べて、『TPとTCPの試験の難易度が飛び抜けているから』です。
指導者を選ぶさいに資格が目安のひとつになる理由は、資格試験の難易度によってその人がどの程度のゴルフの腕で、かつどの程度の指導力を持っているのか測れるためです。その意味で、TPやTCPは選ばれやすい・迷ったら選んでまず間違いはない指導者であるといえます。

次項では実際にTPとTCPの試験内容に関するご説明と、それを踏まえたうえで指導者として見た時の両資格保持者について考察していきたいと思います。

※当記事の引用元URL
社団法人 日本プロゴルフ協会