第九回です。
ここまで色々なゴルフ指導者の資格についてご紹介してきました。

・JGTOツアープレーヤー(ツアーメンバー)
・PGAトーナメントプレーヤー(トーナメントプロ)
・PGAティーチングプロ
・LPGAツアープロ
・LPGAティーチングプロ

これらは日本における主要なゴルフ指導者資格です。
ここからは、それ以外の指導者資格についてご紹介していきます。

・USGTFティーチングプロライセンス
・JGRAレッスンプロ(JGRA公認インストラクター)
・SGA公認インストラクター
・NGFプロインストラクター

主にご紹介するのはこのような資格です。
……と、その前にワンクッションおきましょう。

この項では、そもそもゴルフをはじめとした『指導者資格』がどう生まれ、どう広まっていくのかについてご説明します。
なぜなら、ここまでご説明してきた主要資格とここからご紹介する資格とでは、同じ『資格』でも明らかな違いがあるためです。
この『違い』は、指導者資格の成り立ちと発展の流れと密接に関係します。

ではさっそく仮想のゴルフ指導者資格を例にとってその流れを追ってみましょう。

とあるメソッドと資格認定団体の誕生

メソッド説明

大半の指導者資格とは上図のような流れで生まれます。
一部をのぞいて、その団体の目的は『自分たちのメソッドを世界に広めること』です。そのためには指導者を増やす必要があります。つまり、資格保持者を増やさなければなりません

資格保持者の増加スピードは認定試験の合格条件をどのように設定するかに左右されます。
資格の難易度を下げたり、受験料を安くしたり、資格取得までの期間を短く設定すればそれだけ資格保持者は増えます。しかしながら認定者の質はどうしても低くなりがちです。認定者の質は資格の信頼度に関わります。そのためこのバランス設定が肝要です。また、保持者を増やそうと試験を簡単にしても、結果的に信頼度の低い資格になってしまえば受験希望者も増えず、メソッドも広まらないのです。

TGA設立

ただ、PGAやLPGAといった歴史があり圧倒的に信頼のある団体が発行する資格は常に受験希望者が後を絶たない状態です。そのため、ハードルを下げて認定者を増やす必要がありません。むしろ、ハードルをより上げて認定者の質の向上を重視できる状況にあります。
これがPGAやLPGAと、それ以外の団体とのもっとも大きな違いです。
たとえば合格に必要なスコアだけとっても、PGAとその他の資格発行団体とでは求められるラウンドスキルに差があるのです。